FC2ブログ

2018/09/18 (Tue) 01:34
ゆうしゃのぼうけん ~生贄の村 恐怖の大蛸魔神~(35)

「話は纏まりましたか?」
少しの間をおいて、老巫女が俺達のもとへやってきた。
「余計な事で大幅に時間を食われてしまいました。パルスイート様、すぐにお支度を。
勇者様も早々に神殿内からご退室願います」
続けて長老も、
「パルスィート様、今っ回に限り特別のお召し物を用意致しましたので、それにお着換えください。村の衆が今か今かと待ちわびておりまするでの」
と、急かすような調子でまくし立ててくる。
だから何で特別のお召し物がすぐに出てくるんだよ?
どうも怪しいんだよな、ここの連中。
「あ、あの、でも・・・」
パルスイートは尚も躊躇していた。見かねたマーリフが、
「長老、あなたは退出なさらないのですか?」と問いただすと、
「私は村長としてこの儀式の全てを見届ける義務がありますで・・」などと
またしても聞き分けの無い事を言い出した。
「いや、それはおかしい、あなたが見てようが、見てまいが魔神の出現条件には何の関係も無い訳でしょう?」
マーリフは尚も食って掛かったが、長老はやれしきたりだ、決まり事だの一点張りで全く譲る気配が無く、いい加減イラついてきた俺も、
「大体何で赤の他人のあんたにパルスィートのお着換えシーンを見せなきゃならないんだ!パルの裸は俺達だってまだ見たこと無いんだぞ!長老がどうしても立ち会うと言うのなら、俺達も立ち会うっ!!」などと、ついつい本音が漏れてしまった。
双方の言い分は全くの平行線をたどり、この場にいる誰もが、“これはもう果てしの無い水掛け論第二幕に突入か?”と覚悟したその時である、とうとう当事者であるパルスィート本人から、呆れ果てたような口調で次のようなセリフが飛び出した。
「もうっ!男の人は全員出て行ってください!!」

2018/09/15 (Sat) 08:28
ゆうしゃのぼうけん ~生贄の村 恐怖の大蛸魔神~(34)

マーリフは、
(もう一押ししたら、服着たままでも大丈夫かもしれません)
と、そう言ったが、俺は、
(いや、それはよしておこう)
と答え、マーリフも、
(・・そうですね、止めておきましょう)
とあっさり同意した。

何れにせよ、パルスィートにはこの再度の大勝利を報告しなければ・・
「おい~、パル良かったな、乳首も隠していいってよ!俺が交渉した、乳首出さなくても大丈夫だ。パルの乳首もう見せる必要無いぞ~」
俺は彼女からきっと褒められるものだとばかり思ったのだが、何故だか顔を耳まで真っ赤にしたパルスィートは、プイっと横を向くと俺に対してこう言った。
「・・・あー様の馬鹿」
なんだってえの。

2018/09/09 (Sun) 14:35
ゆうしゃのぼうけん ~生贄の村 恐怖の大蛸魔神~(33)

「駄目ですか?」
「勇者殿~、それは先ほどの約束と違いますぞ!我々としてもこれ以上の譲歩は出来ません」
「ですよね」
俺はマーリフのもとへ引き返した。
「駄目だったわ」
「勇者~、あなたは一体何をやっているんですか??」
いや、だってよお・・
「勇者、私なんだかもういい加減面倒くさくなって来ましたよ。それで、ちょっとだけ考えてみたのですが、そもそもこの儀式って本当に裸でやってたんでしょうか?」
「なに?」
「我々、知らないもんですから完全に向こうのペースで話が一方的に進んじゃってますが、意外とその辺は適当なのかもしれません。村人に確認して裏を取った方が良くないですか?
その際、男は裸が見たいでしょうから嘘つくかもしれませんが、例えば元生贄役の村娘とか」
「あ・・」
マーリフは長老の方を向くと声を荒げてこう言った、
「長老!それでよろしいですね?お時間頂いて娘たちに確認させていただこうかと思いますが!?」
「分かったあああああああっ!!今回は特別に、乳首も隠しての儀式の参加を認めます!」
おい、あっさり折れたぞ、なんか怪しいな。

2018/09/02 (Sun) 17:26
ゆうしゃのぼうけん ~生贄の村 恐怖の大蛸魔神~(32)

「勇者、あなたが話をややこしくしてるんですよ。最初から乳と前だけは隠しますって素直にそう言っときゃあ、それはそれで何とかなったんじゃないですか?」
「いや、向こうは全裸を要求してるんだから、せめてオッパイぐらいは出したままにしとかなきゃ駄目かな?と思ったんだよ。それに・・」
「それに?」
俺はマーリフの肩に手を回して俺の方に引き寄せ、パルスィートに聞こえないように小声で喋った。
(お前も見たいだろ?パルのあのでっかいオッパイ!)
(う、そりゃあまあそうですが・・)
(だろ?渡りに舟っつうか、いいチャンスだと思ったんだけどな・・失敗したわ)
(ああ、結局もう自業自得じゃないですか!正直私ももう面倒見切れませんから、後は責任取って自分で何とかしてください。いいですか?長老たちとちゃんと再交渉するんです。分かりましたか!?でないとパルスィート、まあ死ぬだの何だの騒いでいるのは多分ブラフでしょうが、あんまり話をこじらせると最悪辞めちゃうかもしれませんよ!)
(・・・・・・・・)
(さあ、早く!)
マーリフに背中を押された俺は渋々、再び長老のもとへ向かった。
「あの~長老、ちょっとだけ宜しいですか?パルスィートがですね・・乳首も隠したいと申しておるのですが・・・」
「駄目駄目駄目駄目」

2018/08/29 (Wed) 23:02
ゆうしゃのぼうけん ~生贄の村 恐怖の大蛸魔神~(31)

彼女はしばらく無言のまま俺を見つめていた。
長い沈黙の後、パルは腕を伸ばすと俺の服の裾を強く引っ張りこう言った。
「もうひと声」
「え?」
「もうひと声」
「え?」
「ですから!もうひと声頑張ってください!!・・・上も隠したいです・・・」
「ええ~~??」
「もう!!あー様一体何を考えてるんですか?ちゃんと頑張ってくれないと私、本当にアフタルを全身にかけて全身口内炎で死んじゃいますから!!」
まじかよ~、もう長老にオッパイ丸出しって言っちゃったよ。
「ت د ζΞδض, ηφζΘل نΛχل ن・・・」
彼女は呪文の詠唱を始めた。
分かった分かった、ちょっとマーリフに相談してくるから待っててくれ・・

「マーリフ、マーリフ、ちょっといいか?」
「勇者、私もいいですか?パルスィートは心停止呪文とかもっと強力な呪文を持っているはずなのに何故、アフタルで死ぬとかまどろっこしい事を言うのでしょう?」
知らねえよ!女の考えてる事とかいちいち分かるか!そんなことよりだな・・
俺はこれまでの経緯をざっとマーリフに説明した。
「ああ、そりゃあもう勇者が悪いです」
まじかよ。

2018/08/25 (Sat) 20:46
ゆうしゃのぼうけん ~生贄の村 恐怖の大蛸魔神~(30)

「今問題になっているのは掟を若干破って、いや曲げて、果たして魔神が現れるのかどうかという事ですよね?」
「そうですが」
「逆に魔神の立場で考えてみてください。大変失礼な物言いになりますが、元々の生贄役だった3人の村娘たちですが・・お世辞にも上玉とは言い難かった、むしろ下から数えた方が早いくらいの容姿でしょう。あなたが魔神だったらどちらの生贄が良いですか?全裸の村娘3人組か、それとも下は隠してもおっぱい丸出しのパルスィートか!?」
「そ、そりゃあ、まあ・・パルスィート様・・」
「そうでしょう!ならば話は早いじゃあないですか。手前味噌になりますが、うちのパルスィートは御覧のとおりの美少女です。しかも王立術者養成学校を首席に近い成績で繰り上げ卒業した才女です。その才色兼備が事もあろうかこの村の為にオッパイを、あの常識外れのすんげえオッパイを丸出しにしてくれるのです!あなたはこれ以上一体何を望むのですか!?」
「わ、分かりました勇者殿、今回は特別に下を隠してでの儀式参加を認めます」
よし勝った!勇者完全勝利!

愛がアップ!
技(口)がアップ!


俺は意気揚々とパルスィートのもとへ引き揚げた。
「パル良かったな、勇者大勝利だ!下は隠してもいいってよ~♪」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
だが彼女の瞳からハイライトは消えたままだった。

| ホーム |

 BLOG TOP  » NEXT PAGE